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私は新卒で製薬会社にMRとして入社しました。 入社2年後、「患者様とより近くで向き合いたい」という強い思いから、 静岡県浜松市の調剤薬局に3年間勤務しました。 そして平成23年2月より、「地元に密着して貢献したい」と考え、地元に近い徳永薬局に 転職しました。 徳永薬局に決めた理由は、事業として在宅介護をやっており、私自身、 それに興味をもっていたからです。 |
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○緩和ケア普及のための地域プロジェクト
私の薬剤師としての出発地は浜松市です。その市では、平成20年度から22年度にかけて「緩和ケア普及のための地域プロジェクト」(通称:OPTIM)が実施されました。
私はこのOPTIM主催で月1回行われた浜松緩和ケア症例検討会に参加して、初めて、
「緩和ケア」というものを知り「薬剤師の立場から積極的に関わっていきたい」と思うようになりました。
この浜松市で行われた活動で約20名の在宅業務を経験し、改めて在宅業務の重要性を認識できたと思います。
○ある患者様との出会い
特に印象に残っている患者様がいます。
自宅でがん疼痛の緩和ケアをされていた一人暮らしの60代の女性でした。
患者様は学生塾の先生をされていたようで、自宅の一室に教室があり、生徒が黒板に書いた計算式がそのまま
残っていました。
患者様が寝ているベッドからちょうど黒板が見えるようになっており、そこからも患者様が学習塾への
強い思いを感じました。
患者様はご自宅に少しでも長くいたいという事が希望でした。
私は主治医・訪問看護師と毎朝8時半の打ち合わせを行い、薬の選択や、飲ませる量、飲ませる際の注意点、薬の管理法など話し合いました。
痛みをとめるため、3日間、フェンタニルパッチという痛みを止める貼付剤を使用していましたが、うまく薬が効かず
突然の痛みを繰り返しました。
患者様に痛みの強さを聞くと、「ギャーと叫ぶ程痛い、助けてほしい」と小さい声で返答がありました。
まず私は、その痛みを和らげるために、フェンタニルパッチの量を増やし、それに伴い鎮痛剤「オプソ」の増量を
提案しました。
フェンタニルパッチは皮膚に張るパッチ状の痛み止めで、人によって吸収に差があり、皮膚の状態などの影響を受けて、効果が変わってきます。
この患者様のようにいくら増量してもほとんど鎮痛効果が得られない方もいます。
私は口からお薬を飲める点に着目して、内服のモルヒネを含んでいるお薬「カディアンカプセル」を繰り返し使用していくことを医師に提案しました。
ここで、薬剤師はお薬をどれくらい増やしたり、減らしたりするかを医師に提案できる必要があります。
その際、私は
・フェンタニルパッチがはがした後に効果が50%減少するのに17時間以上かかること
・カディアンカプセルは7~8時間後に効果が最大になること
この2点に考慮しました。
そしてフェンタニルパッチからカディアンカプセルに変更となりました。その結果、痛みはほとんど
消失しました。
私は初めて痛みを感じない患者様を見て、とても嬉しく思った事を今でも忘れません。
この患者様は思い出のたくさん詰まったご自宅(教室)で、その後、痛みを訴える事なく、最期を迎えられました。
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私が薬剤師として、この患者様のために最高の事が できたかは分かりませんが、 “この患者様の痛みをとってあげたい” “副作用対策は十分か” “吐き気止めはもう必要ないのではないか” “痛みの他に苦しみや気にかかる事はないか” 必死に考えました。 私は薬剤の選択・投与量の決定は薬剤師がやるべき業務であると考えています。 |
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今後も徳永薬局在宅部で、医師・看護師等の医療スタッフから頼られる薬剤師を目指し、患者様と向き合い、患者様のために日々精進していきたいと思います。